試飲したら美味しかったのに、家で飲んだら大して美味しくない?!
そんなアナタの美味しくないお茶を「今日から!」「美味しく!」淹れる4つのポイントをお話しします。
法被にのぼり、そして美味しそうなお茶の香り
常滑焼の朱色の小さな急須と、かわいらしいサイズの湯のみをお盆に載せて
「どうぞ、どうぞ、飲んでみてください、美味しいお茶です」という声に吸い寄せられ、一服
ああぁぁぁ、美味しいぃぃ
日本人に生まれて良かったぁぁぁ
今日は1袋1,000円だけど、3袋なら2,000円!
身体にいいし、毎日たくさん飲んで!
冷蔵庫に入れておけば全然大丈夫だから、
という言葉に
確かにお茶は腐るわけでもなさそうだし、お母さんに分けてあげてもいいし。
と、お茶を買った経験がある人はアナタだけではありません。
かく言うワタシもかつてはその一人でした。そして、家に帰ってこうなるのも、たぶんアナタと同じ。
「アレ?・・・大して美味しくなくない??」
雰囲気に騙された?
水が違う?
お茶の葉の量?何?何で?
うん。やっぱり別に大して美味しくない。。。。。
あの「日本人であることへの喜びを感じるまでの美味しさ」は何だったんだ?!
と。
そして冷蔵庫には、飲まないお茶が溜まっていく一方。
新茶シーズンのたびに、
静岡や鹿児島の物産展のたびに、
お茶どころの道の駅に立ち寄るたびに、
私たちは同じ過ちを犯してしまうのです。
お茶の淹れ方を知らない人は、ほぼいません。
でも美味しい淹れ方となると、自信あり!という人は少ないのではないでしょうか?
お茶の淹れ方は、いくつかのポイントがあります。
教科書的に大切な4つのポイントについてお話します。
1.お茶の葉の量
お湯の量に対してのお茶の葉の量が重要です。お茶の種類にもよりますが、お湯60㏄に対して2グラムが目安です。
使う湯飲みは何㏄入るかの把握が必要です。
2.お湯の量
上に書きました、お茶の葉の量とのバランスです。使う湯飲みは何㏄かは必ず把握しておいてください。
水の量は計量カップよりも、計り(デジタルスケール)で計量すると良いですよ。
3.お湯の温度
これもお茶の種類や、好み、仕上げたい味によりますが、一般的な煎茶で70℃~75℃です。
湯気がゆらーり、ゆらーりとゆっくーり揺れるぐらいが目安です。
待てない!という場合は氷をひとかけら入れてもいいですし、お水を少し入れてもいいです。
熱いお湯を、ドバっと入れちゃうより全然いいです。ワタシたちも急いでいるときはやっています(内緒ですが)
「アツアツのお茶をふーふーして飲みたい」という方は、ほうじ茶をおススメします!
4.浸出時間
急須にお湯を入れて待つ時間です。これもお茶の種類や、好み、仕上げたい味によりますが
一般的な中蒸し(普通蒸し)の煎茶で1分~1分半。
深蒸しの煎茶で30秒です。
中蒸し(普通蒸し)深蒸しって何?という方は、お茶を淹れたとき黄色っぽいのが中蒸し(普通蒸し)、
緑色っぽいのが深蒸しです。お茶のパッケージにも記載があると思いますが、なければ色を見てみてください。
これが教科書的な4つのポイントです。
このポイントを理解すれば、お茶の味をコントロールできます。
お茶の葉の量を変える、お湯の量を変える、お湯の温度を変える、待つ時間を変える、
ということをすれば味が変わります。
即ち、同じお茶でも、一緒に食べるものにお茶の味を合わせる、
今自分が飲みたい味にお茶の味を合わせることができます。
ポイントを押さえて、お茶の味は何で変化するのかを理解すれば
お茶を自在に操ることができます。
ちょっと硬く書きましたが、お茶を自分の好きなように淹れられるって、少しステキじゃないですか?
きっと楽しみが増えますよね。
まずは冷蔵庫に眠っているお茶を、まず教科書どおりに淹れてみて、
次は、ちょっと苦く淹れる、今度はちょっと甘く淹れる、、ということができますので、
同じお茶ひとつでいろいろな楽しみ方が増えるわけです。
お茶の標準的な淹れ方はありますが、
美味しいお茶の淹れ方に「正解」はありません。
美味しさは人それぞれですから。
もっというと、今日美味しいと感じても明日美味しいと感じるかはわからないから。
これがお茶の楽しいところでもあります。
もちろんワタシも試飲したら美味しくてお茶を買って冷蔵庫に溜めちゃうひとりでした。
ワタシがお茶の勉強を始めたころ、冷蔵庫の片隅からお茶が出てきたことがあります。
何だっけ?と思いながら淹れてみたらびっくりするぐらい美味しかったのです。
お茶の袋から買った場所は特定できますが、なぜそのお茶を買ったのかまったく思い出せません。
そしてどうやら1回は家で淹れている形跡があるのですが、まったく記憶がありません。
まさに「試飲は美味しかったけど、家で飲んだら大して美味しくない」だったんだと思います。
「びっくりするぐらい美味しかった」のは
「それを正しく美味しく淹れられるようになったから。
でもそれだけじゃないのかもしれません。
今日の気分や体調、気候に合っていた、ということも考えられます。
お茶は、今日飲みたいお茶が明日も飲みたいお茶じゃない、ということが大いにあるんです。
これはお茶の種類や淹れ方を知ると、みなさん即感じていただけることだと思います。
夏に人気のお茶と冬に人気のお茶は違います。気候や気温で飲みたいものは変わります。
食べ物もそうですよね。少し気温が低くなってきたころのチョコレート、寒い冬の焼き芋、
暑い日のレモンやライムのジュースみたいに。
淹れ方や、楽しみ方のポイントを学べばもっともっと
お茶をダイスキになると思います。
暑い時期は水出しもできます。
水出しは専用茶である必要はありません。お湯も使いません。
炭酸水で抽出したり、割ったりすることもできます。
柑橘など香りのあるものと一緒に淹れても美味しいですよ。
このようにお茶の楽しみ方はたくさんあります。
今でも試飲は絶対しますし、もちろんたくさん買いますが、
たくさんの色々な飲み方、淹れ方で楽しんでおり、お茶はワタシの生活に欠かせないアイテムです。
まずは冷蔵庫に眠っているあのお茶をもう一度淹れてみてくださいね。
淹れ方、楽しみ方はまだまだたくさんあります!