寒い時期には温かいお茶が飲みたくなる!なる!だけど、茶殻とかメンドクサイよね?

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9月になりましたね。
好きな季節を聞かれると「冬」と迷わず答えるワタシは、来たる冬にウキウキが止まりません。
さてさて涼しくなると、温かいお茶が飲みたくなる、という方も多いと思います。
ただ、ここ何年かは10月中旬ぐらいまでは暑い日が多いですよね。
11月から2月がずっとループすればいいのに。。。 

最近はペットボトルのお茶の定着で、涼しくなってきても食事時、仕事中、外出中には、
冷たいお茶を飲むという方も多いのではないでしょうか?

ワタシは東京都23区の小学校の家庭科クラスでお茶の淹れ方レッスンを担当させていただくことがあります。
子どもたちの多くの家庭には急須がなく、お茶といえばペットボトルのもの、
という認識の生徒がとても多いことに驚かされます。

本当にペットボトルのお茶はすっかり定着しています。小学生でも商品名はスラスラ会話にでてきます(笑)
先日ペットボトルのお茶の飲み比べの記事を書きました。普段ペットボトルのお茶は飲みませんが、
書くにあたって改めて飲んでみましたが、やはりペットボトルのお茶の味がしました。
急須で淹れたお茶の味とは少し差があるかな?というのが感想です。

便利なものは便利で否定はしませんが、
ペットボトルのお茶の味イコールお茶の味というのは、
少しだけもったいない気がしています。
なぜならば、小学生たちは、その授業で急須で淹れたお茶を飲んで「美味しい」と言って目を輝かせてくれるから。
この美味しい味がお茶の味なんですよね。子どもの味覚は正直です。

繰り返しになりますが、
便利なペットボトルのお茶をワタシは否定はしません。
そのうえで、是非本来の美味しいお茶の味を知っていただけたらな、という気持ちになります。

 

さて、タイトルの「茶殻とか面倒くさい」について今日は書きたいと思います。
先日、美味しいお茶の淹れ方のセミナーに講師として招かれた際に、主催会社の担当者の方とこんな会話がありました。

 

お茶ダイスキなんですよ、なので今日の講座は私自身も楽しみなんです。
先生のところで扱っているお茶ってティーパックのものもありますか?

 

ワタシは自分が飲んでみて美味しくて気に入ったお茶は、農家さんに交渉して、
小ロット仕入れさせていただき、小売りもしています。
が、残念ながらティーパックにはしていません。ということをお伝えしたところ

 

 担当者)そうですかーーー、うーーー残念ーーーーー。

 

と、結構本当に残念そうに仰ってくださいましたので、
ティーパックじゃないとダメですか?と聞いてみたところ

 

担当者)だって面倒じゃないですか 

ワタシ)え?何がです?

担当者)茶殻捨てるの

ワタシ)え?ティーパックも捨てますよね?ぽいって。

担当者)あ、、、はい、、そうですね・・・。あ、でも茶殻だと茶こしの網のところにひっかかるし

ワタシ)急須はストレーナー(茶こし)付きじゃないものがおススメですよ

担当者)えー!ストレーナー(茶こし)がないともっと面倒じゃないですか!

ワタシ)え?何がです???

当者)茶殻捨てて、そのあと洗わないといけないし

ワタシ)でも湯飲みも洗いますよね?急須はすすげば大丈夫ですよ。

担当者)・・・ですね。

 

と、こんななんだか不毛な会話をいたしました(笑)
洗い物が面倒なので、急須にお茶の葉を入れてお茶を淹れることが面倒になっちゃうのでしょうか?
んー、、、確かに面倒なのかもしれませんね。
でもそれってたぶん、

 

お茶を美味しいと感じていないから
大して美味しくないものを飲むことに対して、
洗う労力が見合わないから面倒で嫌だ

 

なのではないでしょうか?

  

大して美味しくないのに、
わざわざ面倒なことしてまで、仕事増やしてまで飲まない
よーーーく理解できます。

 

でも急須で淹れたお茶は淹れ方でもっと美味しくなるんですよ。
授業を受けてくれた小学生は知っています。

その美味しいお茶のために、頑張って茶殻をポイっと捨てて、
急須を
シャバシャバっと洗っていただくことを決意した方からは

 

どんな急須を選べばいいですか?

 

という質問を多くいただきます。
素材・形状・容量などなど、いろいろ考えるポイントがあります。
きょうは少しこの辺りも書いてみます。

 

まず素材のおススメはやきものの急須です。
特にオススメするのは「常滑焼」です。

 

やきものの急須は、熱伝導が程よくお茶が冷めにくいという特徴があります。
2007年度の茶業技術協会研究発表のデータによりますと、
三重県四日市の萬古焼、愛知県常滑市の常滑焼の焼締急須などのやきものの急須は、
他の材質の急須に比べて適度な渋味になるという結果がでており、
急須の材質によって渋味をコントロールできることがわかります。

渋いお茶しか飲みたくない!!という方以外におススメです。
ただし、渋味はお茶の種類や、湯の温度でコントロールできます(笑)

ワタシ達日本茶インストラクターの多くは常滑焼の急須を使っています。
ワタシが常滑市のある愛知県名古屋市出身だからでしょうか?
子どもの頃から家で使っていた急須は、あの渋い朱色の急須でした。
科学的なデータも取れない昔から、お茶には常滑急須、という定着があったのは不思議ですね。
日本茶の勉強を始めて「急須は常滑」ということを知り、なんだか愛知県民として嬉しかったです。

あの常滑焼の渋い朱色は、ちょっとウチの他のキッチンウエアに似合わないし。。。
とおっしゃる方も多いかもしれません。実際ワタシも、ちょっとなーと思っていました。
実は常滑焼には、ステキな黒もあります!
そして朱色と黒の中間のチョコレートブラウンもあるんですよ。
ワタシも黒い常滑急須とチョコレートブラウンの常滑急須を愛用しています。

 

つぎに形状です。
急須の中でお茶の葉が動く余裕が十分にあること、が必須です。
紅茶ですと、ジャンピングというあれです。
お湯の中でお茶の葉がふわーっと動き回ることができるスペースがないとお茶の旨味がしっかり出てくれません。

ストレーナー(茶こし)が取り外しできる急須は茶殻の取り出しが楽なイメージがありますが、
お湯の中でお茶の葉がふわーっと動き回ることができるスペースがありませんので、お茶の旨味がしっかり出ません。

 

1)ストレーナー(茶こし)をつまみだして
2)ゴミ箱にポイ
3)ストレーナーに残った茶殻を洗う
4)急須をすすぐ
以上4ステップ

 

1)急須を傾けて茶殻をゴミ箱にポイ
2)急須の内側に残った茶殻をすすいで流す
以上2ステップ

 

あれ?ストレーナーの方がステップ数が多いじゃないですか!(笑)
ということで、ストレーナー(茶こし)のついていない、
お湯の中でお茶の葉がふわーっと動き回ることができるスペースがある急須を
おススメします。

 

次に急須の容量です。
これは普段淹れる人数と使う湯飲みから考えてみてください。

普段使う湯飲みの容量が120㏄ぐらい、基本的に淹れる人数が2人分なら、
急須の容量が240㏄以上必要ですので、300㏄前後のものがおススメです。
1人分しか淹れないのに、あまりにも大きな急須だと、お湯の水深が浅くなるわけですから、
お湯の中でお茶の葉がふわーっと動き回ることができるスペースができませんので美味しく淹れられません。


自分にぴったりのちょうどよい急須を探しましょう。
因みにワタシのキッチンにはお茶の種類や人数によって使い分けるためにたくさん急須がずらりと並んでいます。
急須がつい増えるというのはお茶好きあるあるのようです(笑)

 

アナタに美味しく淹れられる急須が見つかりますように。

 

そして是非
「美味しいお茶」を1杯でも飲んでほしいな、と思います。
「美味しいお茶の淹れ方」を知ってほしいな、と思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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