日本茶ペアリングの可能性
「ペアリング」とは、食事やお菓子などの食べ物とお茶の組み合わせを楽しむことを指します。
レストランでコースの一皿一皿に合わせてワインが提供される「ワインペアリング」のように、日本茶ティーペアリングはお料理に日本茶を合わせて楽しむことを意味します。
最近では、日本茶ティーペアリングを楽しめるレストランも少しずつ登場しています。
では、なぜ今、日本茶ティーペアリングが話題になっているのでしょうか?
あえて飲まないという選択
「ソバーキュリアス」という言葉をご存じでしょうか?
「ソバーキュリアス」とは、お酒を飲める人や、体質上飲んでも差し障りのない人も含めて、「あえてお酒を飲まない選択をするライフスタイル」を意味する造語です。
アルコールは体質で飲める人と飲めない人に分かれるほか、宗教で飲めるか飲めないかにも分かれますが、さらに最近では、この、あえてお酒を飲まない選択をする人「ソバキュリアン」も少しずつ浸透してきています。
アルコール離れ
厚生労働省の飲酒習慣率調査を見ると、週に3回以上アルコールを飲む人は、1989年には男性で51.5%でしたが、2019年には33.9%にまで低下しました。
特に20代の若い世代がアルコール離れをしています。
また、国税庁の調査によると、酒類販売数量の推移でも成人1人当たりのアルコール消費量は1992年度の101.8ℓをピークに、2019年度には78.2ℓに減少しています。
飲食店を経営されている方々は、これを実感されているかもしれません。
飲食店の抱える問題と、アルコールを飲めない飲食店利用者が抱える問題
飲食店の抱える問題
- 飲用水やお茶が無料で提供される慣習があるため、客単価が下がる傾向があります。
- ノンアルコール飲料を提供しているものの、注文は少ない(無料の水が提供されることも一因です)。
- ノンアルコールペアリングをメニューに入れたいが、専門知識に乏しく、情報も少ない。
飲食店利用者が抱える問題
- 料理に合うノンアルコール飲料がメニューに少ない。
- 飲まない人は予約を断られるレストランがあり、そこへ行くことすらできない。
- アルコールを飲めるが、同伴者が飲まない場合、アルコールを飲みにくいと考える人もいる。
日本茶ペアリング導入のメリット
飲食店のメリット
- 客単価のアップ。
- 新規性・話題性による宣伝効果。
- 新規顧客獲得のチャンス。
飲めない人飲食店利用者のメリット
- 健康的でソバーキュリアスな時間を実現することができる。
- アルコールを飲まないことを気にせず、食事を楽しむことができる。
- 水は口の中をリセットする効果しかありませんが、日本茶は料理との味覚の調和や変化を楽しむ「ペアリング」ができる。