日本茶はどのようなものか
世界中でお茶は飲まれています。
日本には抹茶だけでなく、煎茶やほうじ茶、紅茶や烏龍茶などさまざまな種類があります。
茶種だけでなく、産地や生産者の違い、生産年や品種の違い、葉や茎などの部位の違いによって、日本茶は非常に多様です。
さらに、同じお茶でも、淹れ手によって味わいが変化します。
お湯がなければ水で淹れることもでき、冷たくても温かくても美味しいのです。
お茶の味覚の要素は旨味、渋み、苦味であり、そのバランスによってさまざまな料理に合わせることができます。
たとえば、肉料理などには渋みを強調した和紅茶がぴったりです。
赤ワインの渋み成分であるポリフェノールは、茶にも含まれています。
健康面でも、抗酸化作用や脂肪燃焼作用、リラックス効果、抗菌・抗ウイルス作用など、さまざまな効果が期待できます。
日本人とお茶
素晴らしい飲み物である日本茶ですが「お茶を淹れられるか?」と日本人に問うと、大多数の人が「はい」と答えるでしょう。
しかし「美味しいお茶を淹れられるか?」という問いには、自信をもって「はい」と答える方は少ないのではないかと思います。
多くの日本人が日本茶に関する知識が乏しいのは、非常に残念なことだと考えます。
私は東京都内の区立小学校5年生の家庭科(生活)の授業を担当することがあり、その際、まず急須の持ち方から教えるのですが、家に急須がない児童が大多数です。
日本茶教室では30~40代の女性も急須の持ち方がわからない方もちらほらいらっしゃいます。
ペットボトルとリーフ茶
家庭には急須がなく、美味しく淹れられないことが多い一方で、「お茶が大好きで毎日飲んでいます」といった声もよく耳にします。
このギャップは「ペットボトルのお茶」によるものだと考えています。
その理由は、農林水産省の「茶をめぐる情勢」に記載された総務省の家計調査データから読み解くことができます。
お茶の作付面積と生産量は減少し続けており、消費支出額では、ペットボトルがリーフ茶を上回り、その差は年々広がっています。
ペットボトルでも愛されているお茶
ペットボトルのお茶を悪いものとは考えていません。
急須で淹れたお茶とは別の味わいを持つ飲み物だと考えています。
一般社団法人全国清涼飲料連合会の2023年清涼飲料水品目別生産シェアによると、茶系飲料は23.7%でトップに位置しています。
次に多いのはミネラルウォーターで20.8%です。この数字からも、お茶自体が広く飲まれていることがわかります。
つまり、お茶が嫌いな人は少ないとも解釈できるのです。
日本茶産業・日本茶文化を持続可能に
リーフ茶は原料原産地の表示が義務付けられていますが、ペットボトルの緑茶飲料には原料原産地の表示義務がないことを知らない人が多いのが現実です。
「お茶は愛されているが、お茶の生産は減少し続けている」という奇妙な現象にどう呼応し、どのように作付面積や生産量の減少を食い止め、日本茶文化を持続可能にするかは日本の重要な課題と考えています。
日本が誇る「日本で育った日本の美味しいお茶」をもっと多くの人々に当たり前に飲んでもらえるようにするにはどうすれば良いのでしょうか。
私は、家庭はもちろんですが、外食のシーンでのアルコールのポジションに「日本茶ペアリング」を取り入れることを考え、それをお手伝いしています。